渡辺杏果 国方萌乃
「頂き女子りりちゃん」の名前でSNSで活動し、男性から金銭をだまし取る方法を指南したとして、詐欺幇助(ほうじょ)の罪に問われた住所不定、無職渡辺真衣被告(25)の初公判が2日、名古屋地裁であった。渡辺被告は「(間違い)ないです」と起訴内容を認めた。
渡辺被告は胸元までの茶髪に眼鏡をかけ、上下黒っぽい色のスウェット姿で出廷。罪状認否で証言台に立つ直前、歯を見せながら口を手で隠すしぐさを見せた。
検察側は冒頭陳述で、渡辺被告が20歳のころからホストに多額の金をつぎ込み、支払いに困った際に勤務先の風俗店の客に援助を求めて成功したと指摘。これを機に経済的に困っているなどとうそをついて詐欺を繰り返すようになったと犯行に至る経緯を説明した。その後「頂き女子」「りりちゃん」を名乗り、詐欺の方法を詳細に記したマニュアルの販売をSNS上で開始したという。
渡辺被告は昨年6月、このマニュアルを名古屋市中区の大学生の女(21)=詐欺罪で公判中=に販売。女が男性2人から現金計1065万円をだまし取る行為を手助けしたとされる。
検察はこの日、渡辺被告がマニュアル販売後の今年2月、SNSの通話機能で女と会話し、「相手が求めているものを与えてあげる」などと助言したことも明らかにした。女からは「今月1千万プレーヤーになれたよ」と詐欺が成功したとの報告があり、マニュアルや相談のお陰だと感謝されたという。
検察は渡辺被告の供述調書の内容も紹介。マニュアルの売上高はこれまでに約1993万円、「頂いた額」は約3億円にのぼるという。
渡辺被告は今年4~8月、茨城県の50代男性に「借金を返済すれば同居できる」などとうそを言い、計約3800万円をだまし取ったとして詐欺罪でも起訴されており、12月6日の次回期日で審理される。(渡辺杏果、国方萌乃)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル